臨床データFile HbA1c 7.0%の持つ意味を、データからあらためて考える(静止画)

サイトへ公開:2026年02月26日 (木)

先生方もご存じのとおり、2型糖尿病では、治療強化の遅れが心血管イベント発現リスクにつながることが報告されています1)
一方で、日本のデータベースを用いた研究では、HbA1cが7.0%以上となってから6ヵ月経過した時点で治療強化を受けている患者は半数にとどまることが報告されました2)
本コンテンツでは、治療強化の遅れによる心血管イベント発現リスクへの影響に関するデータと、トラディアンス配合錠およびジャディアンスのエビデンスについてご紹介します。 

1) Paul SK, et al. Cardiovasc Diabetol. 2015 Aug 7 ; 14 : 100.
2) Suzuki R, et al. J Diabetes Investig. 2023 Jan;14(1):81-91.

治療強化の遅れと心血管イベント発現リスクの関係について検討した海外データにおけるサブグループ解析1)の結果として、HbA1cが7.0%以上の患者で1年以上治療強化が遅れると、心血管イベント(心筋梗塞、心不全または脳卒中)の発現リスクは、約何%増加するでしょうか? 

1) Paul SK, et al. Cardiovasc Diabetol. 2015 Aug 7 ; 14 : 100. 


約60%増加する

本解析では、2型糖尿病のある方105,477例を対象に、治療強化の遅れによる心血管イベント発現リスクへの影響を検討しました。 
その結果、HbA1cが7.0%以上の患者で1年以上治療が遅れると、心筋梗塞、心不全または脳卒中のいずれかの心血管イベントの発現リスクが、1.62倍に有意に増加することが示されました。

このことから、HbA1cが7.0%を超えている患者では、早期に治療強化を検討することが大切だと考えられます。

1275.19試験:リナグリプチンからの切替試験

2型糖尿病治療薬のひとつに、SGLT2阻害薬ジャディアンスとDPP-4阻害薬トラゼンタの配合錠 トラディアンス配合錠があります。 
トラディアンス配合錠では、トラゼンタ5mgによる治療で血糖マネジメント不十分な日本人2型糖尿病患者275例を対象に、有効性および安全性を比較検討した国内第Ⅲ相試験が実施されています。 
本試験では対象を、トラディアンス配合錠AP群(リナグリプチン5mg/エンパグリフロジン10mg)またはトラゼンタ5mg+プラセボ追加投与群にランダムに割り付けました。投与24週後の血糖マネジメントが不十分な患者については、トラディアンス配合錠AP群はトラディアンス配合錠BP(リナグリプチン5mg/エンパグリフロジン25mg)に、トラゼンタ5mg+プラセボ追加投与群はトラゼンタ5mg+プラセボ(増量)に増量しました。解析計画は表のとおりです。

トラディアンス配合錠AP群における患者背景は、男性78.0%、平均HbA1c8.27%であり、糖尿病と診断されてからの期間は表のとおりでした。

有効性

主要評価項目である投与24週後におけるHbA1cのベースラインからの変化量は、トラゼンタ5mg+プラセボ追加投与群0.21%、トラディアンス配合錠AP群-0.93%であり、トラディアンス配合錠AP群でトラゼンタ5mg+プラセボ追加投与群に対し、有意な低下が検証されました。

副次評価項目である投与52週後におけるHbA1cのベースラインからの変化量は、トラディアンス配合錠BP群で-1.10%でした。HbA1c平均値の推移は左図のとおりでした。

安全性

52週間投与における副作用発現割合は、トラディアンス配合錠AP・BP全投与群で20.3%(37/182例)、リナグリプチン5mg+プラセボ追加投与全投与群で7.5%(7/93例)でした。主な副作用は、トラディアンス配合錠AP・BP全投与群では血中ケトン体増加4.4%(8/182例)でした。 
投与中止に至った副作用、重篤な副作用は表のとおりでした。

トラディアンス

トラディアンス配合錠は、ジャディアンスとトラゼンタの配合錠であり、患者さんの血糖マネジメント状態に合わせて1日1回1錠の用法を変えることなく増量が可能です。AP錠は、トラゼンタまたはジャディアンス10mg単剤の治療で血糖マネジメント不十分な患者さんの治療強化、BP錠は、トラゼンタ+ジャディアンス10mgの併用からの治療強化、あるいはAP錠またはジャディアンス25mgからの治療強化が期待されます。 
また、各単剤の併用で安定している患者さんを配合錠1錠にまとめることも可能です。

今回は、2型糖尿病における早期治療強化の重要性と、トラディアンスの臨床試験についてご紹介しました。 
本日の内容を、先生方の2型糖尿病診療にお役立ていただけますと幸いです。

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