2型糖尿病治療における早期の治療強化を考える
サイトへ公開:2021年11月19日 (金)
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合併症予防を目的とした血糖マネジメント
日本糖尿病学会の『糖尿病治療ガイド2020-2021』では、糖尿病のある方の合併症予防を目的とした血糖マネジメント目標値としてHbA1cを7.0%未満と設定しています。
一方で、2型糖尿病のある方の45.9%は、HbA1cが7.0%以上であることが報告されています。
先生方は、既存治療から、もう少し血糖値を下げて治療の目標を達成したい患者さんに対してどのように治療をお考えでしょうか。
糖尿病は、さまざまな合併症のリスクを高める疾患であるため、長期の血糖マネジメントおよび合併症リスクの観点から、早期の治療強化が求められます。

治療強化のアプローチ:トラディアンス配合錠
治療強化を検討する際の懸念として、患者さんの服薬負担が挙げられますが、その負担を軽減する選択肢のひとつが配合錠です。
トラディアンス配合錠は、DPP-4阻害薬トラゼンタ(リナグリプチン)とSGLT2阻害薬ジャディアンス(エンパグリフロジン)の配合剤です。トラディアンス配合錠にはAP錠(リナグリプチン5mg/エンパグリフロジン10mg)およびBP錠(リナグリプチン5mg/エンパグリフロジン25mg)があります。
トラディアンス配合錠はクラス内で唯一*2つの用量規格を持つ配合剤であり、患者さんの血糖マネジメント状態に合わせて1日1回1錠の用法を変えることなく増量が可能です。

AP錠は、トラゼンタまたはジャディアンス10mg単剤の治療で血糖マネジメント不十分な患者さんの治療強化に、BP錠は、トラゼンタ+ジャディアンス10mgの併用からの治療強化、あるいはAP錠またはジャディアンス25mgからの治療強化に有用です。また、各単剤の併用で安定している患者さんを配合錠1錠にまとめることも可能です。
*DPP-4阻害薬とSGLT2阻害薬の配合剤として(2021年7月現在)

ジャディアンス錠からトラディアンス配合錠への切替試験
国内第Ⅲ相試験では、ジャディアンス単剤投与で血糖マネジメント不十分な2型糖尿病のある方におけるトラディアンス配合錠の有効性・安全性が、ジャディアンス単剤投与を対照に検討されています。
対象患者さんは、ジャディアンス10mg群または25mg群に割り付けられた後、プラセボ導入期を挟んで、それぞれ同用量のエンパグリフロジンを含むトラディアンス配合錠群またはジャディアンス+プラセボ追加投与群にランダムに割り付けられました。

トラディアンス配合錠AP群の患者背景
ジャディアンス10mg+プラセボ追加投与群には108例、トラディアンス配合錠AP群には107例が割り付けられました。各群の患者背景はこちらのとおりです。ベースライン時の平均HbA1cはそれぞれ8.40および8.34でした。

トラディアンス配合錠AP群のHbA1cの変化
ジャディアンス10mg+プラセボ追加投与群およびトラディアンス配合錠AP群における、投与後24週までのHbA1c平均値の推移は、左のグラフのとおりでした。投与24週後のベースラインからの調整平均変化量は、右のグラフのようにそれぞれ-0.12%および-0.94%であり、トラディアンス配合錠AP群における有意なHbA1c低下が検証されました。

トラディアンス配合錠BP群の患者背景
続いて、ジャディアンス25mg+プラセボ追加投与群には116例、トラディアンス配合錠BP群には116例が割り付けられました。各群の患者背景はこちらのとおりです。ベースライン時の平均HbA1cはそれぞれ8.26および8.27でした。

トラディアンス配合錠BP群のHbA1cの変化
ジャディアンス25mg+プラセボ追加投与群およびトラディアンス配合錠BP群における投与後24週までのHbA1c平均値の推移は、左のグラフのとおりでした。投与24週後のベースラインからの調整平均変化量は、右のグラフのようにそれぞれ-0.33%および-0.91%であり、トラディアンス配合錠BP群における有意なHbA1c低下が示されました。

さらに、25mg+プラセボ追加投与群およびトラディアンス配合錠BP群における、投与後52週後のベースラインからの調整平均変化量はそれぞれ-0.27%および-0.86%であり、24週時に加えて52週時もトラディアンス配合錠BP群における有意なHbA1c低下が示されました。

安全性
本試験の24週投与における副作用発現割合は、トラディアンス配合錠AP群12.1%(13/107例)、ジャディアンス10mg+プラセボ追加投与群14.8%(16/108例)、トラディアンス配合錠BP群21.6%(25/116例)、ジャディアンス25mg+プラセボ追加投与群17.2%(20/116例)でした。
主な副作用は、トラディアンス配合錠AP群でリパーゼ増加2.8%(3/107例)、ジャディアンス10mg+プラセボ群では血中ケトン体増加8.3%(9/108例)、トラディアンス配合錠BP群で血中ケトン体増加9.5%(11/116例)、無症候性細菌尿2.6%(3/116例)、ジャディアンス25mg+プラセボ群で、血中ケトン体増加4.3%(5/116例)、体重減少4.3%(5/116例)、無症候性細菌尿2.6%(3/116例)などでした。
また、重篤な副作用や投与中止に至った副作用、および、52週間投与における副作用発現状況はこちらのとおりでした。

DPP-4阻害薬トラゼンタ(リナグリプチン)とSGLT2阻害薬ジャディアンス(エンパグリフロジン)の配合剤であるトラディアンス配合錠にはAPとBPの2つの用量規格があります。国内第Ⅲ相試験では、いずれの用量規格についても、対応する用量のジャディアンス単剤療法と比較して有意なHbA1c低下作用が示されました。
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