コンセンサスステートメントから見るILDのスクリーニングと診断(静止画)
サイトへ公開:2023年09月26日 (火)
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ご監修:桑名 正隆先生(日本医科大学大学院 医学研究科アレルギー膠原病内科学分野 大学院教授)
膠原病(CTD)では疾患を問わず呼吸器疾患を合併することが多く、その中でも間質性肺疾患(ILD)は頻度が高く、生命予後へのインパクトが大きいことが示されています1)。したがって、ILDを適切に診断・評価し、治療を行うことが、CTD患者の予後改善のために求められます。しかしながら、膠原病に伴う間質性肺疾患(CTD-ILD)の管理について、すべての要素を網羅した包括的なガイドラインはこれまでありませんでした2)。
そこでわれわれの研究チームは、2023年2月に『CTD-ILDのコンセンサスステートメント』を発表しました。今回は、コンセンサスステートメントから見るILDのスクリーニングと診断についてご紹介します。
CTD-ILDのコンセンサスステートメントの調査概要
最初に、本コンセンサスステートメントの作成について、調査概要をお示しします(図1)。
ご覧のように、論文調査から作成された109のステートメントについて、修正Delphi法による検討を2ラウンド行い、最終的に合意が形成された93のステートメントについて最終決定を行いました。
図1

なお、論文調査の対象となったCTD-ILDの原疾患には、関節リウマチ、全身性エリテマトーデス、多発性筋炎/皮膚筋炎、シェーグレン症候群、混合性結合組織病、全身性強皮症、抗好中球細胞質抗体(ANCA)関連血管炎が含まれました(図2)。
図2

実臨床に反映するためのアルゴリズム
さらに、実臨床にコンセンサスステートメントを反映していくために、CTD-ILDに対する管理アルゴリズムも作成しました(図3)。
このなかから、ILDを適切に診断・評価するのに特に有用な「リスク因子」「スクリーニング・ツール」「診断と重症度評価」「フォローアップ」についてご紹介します。
図3

まず、CTD-ILDに対する管理アルゴリズムの「1.リスク因子」では、「CTD患者はILD発症のリスクが高い」ことが示されています。
また、疾患別に男性、高齢、喫煙歴や自己抗体などが挙げられています(図4)。
図4

次に、「2.スクリーニング・ツール」では、CTD-ILDのスクリーニング・ツールとして呼吸器症状、胸部X線検査、胸部聴診、胸部CT、胸部HRCT、KL-6が挙げられています(図5)。
図5

「3.診断と重症度評価」では、まず診断に関して有効なものとして、呼吸器専門医、リウマチ専門医、放射線科医、病理医の多分野による集学的検討(MDD)及びHRCTを挙げています。
また、重症度評価に有効なものとしてHRCTやFVCが示され、その他に考慮すべきものが列挙してあります(図6)。
図6

最後に、「4.フォローアップ」では、少なくとも年1回のFVC測定を推奨しているほか、急性期・亜急性期に進行したCTD-ILD患者(特に抗MDA5抗体陽性皮膚筋炎)の場合は、数日から1ヵ月に1回の画像評価が推奨されています(図7)。
図7

まとめ
『CTD-ILDのコンセンサスステートメント』の内容は、ILDのスクリーニング及び診断に有効な検査やその実施頻度などを管理アルゴリズムとしてまとめており、実臨床でもご活用いただけます。
CTD患者に対し、ILDのスクリーニングを行う際には、ぜひ本ステートメントの内容を参考にしてください。
今回ご紹介した内容を、CTD患者のご診療にお役立ていただけますと幸いです。
【引用】
- 日本呼吸器学会 日本リウマチ学会. 膠原病に伴う間質性肺疾患 診断・治療指針 2020. p.2. 2020
- Kuwana M. et al.: Expert Rev Respir Med. 2023;17(1):71-80.
その他の関連情報
特発性肺線維症および進行性肺線維症 国際診療ガイドライン2022(静止画)
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