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PD患者における運動特異的な患者報告アウトカム尺度の開発
サイトへ公開:2021年08月31日 (火)
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ご監修:武田 篤 先生(独立行政法人 国立病院機構 仙台西多賀病院 院長)
Development of an Exercise-Specific Parkinson’s Disease Questionnaire: The PDQ-Exercise
Morley D, et al. Mov Disord 2021 May 15. doi: 10.1002/mds.28644. Online ahead of print.
Pubmedアブストラクト
背景
パーキンソン病(PD)の治療において運動は重要な要素であり、短期的および長期的な有効性がすでに実証されている。近年、PDの領域において患者報告アウトカム尺度(PROM)の重要性が高まっていることから、PROMを主要アウトカムとする臨床試験が報告され、PDの管理における運動療法に焦点を当てた臨床試験においては、疾患特異的なパーキンソン病質問票(39-item Parkinson’s Disease Questionnaire;PDQ-39)や一般的なMOS Short Form 36-item Health Survey(SF-36)などの評価尺度が使用されている。しかし、これらの評価尺度は、PDの管理における運動療法の評価を目的とした運動特異的なPROMではない。そこで、PD患者を対象として、運動療法の有効性の評価を目的とする研究や臨床試験において使用されるPROMとして、“PDQ-Exercise”を作成し、その妥当性を評価した。
方法
Parkinson's UKを通じて募集したPD患者を対象として、質問項目作成インタビュー、プレテスト、検証調査の3段階で本研究を構成し、“PDQ-Exercise”の作成および評価を行った。
【質問項目作成インタビュー】
20例(男性10例、女性10例)を対象として実施した。可動性、日常生活動作、情緒的健康、スティグマ、社会的支援、認知、コミュニケーション、身体的不快感の8つの領域を39の質問で評価するPDQ-39について対象者はオンライン上で回答した。さらに、対象者が自分自身の日常生活と照らし合わせてPDQ-39の質問について回答できたかどうかを確認した。PDQ-39の質問に含まれていない日常生活に関する回答が対象者から得られた場合には、さらなるインタビューを行った。
【プレテスト】
14例(男性8例、女性6例)を対象としてインタビューを2回実施した。インタビューはオンライン上で対象者と面接官が対話する形式で実施し、対象者は質問項目作成インタビューを経て作成されたPDQ-Exerciseに回答し、各質問項目について口頭でフィードバックを行った。
【検証調査】
398例(男性190例、女性208例)を対象として実施した。対象者はPDQ-Exerciseに加えて、PDQ-39の8つの領域のそれぞれから1つの質問が選択された短縮版のPDQ-8と、3つの領域(日常活動、感情的ウェルビーイング、社会的関与)における活動および参加を23個の質問で評価するオックスフォード参加および活動質問票(Ox-PAQ)についてオンライン上で回答した。
新たに作成されたPDQ-Exerciseの質問項目について、それぞれ天井効果と床効果を算出した。また、主成分分析(PCA)の使用が許容できるかを確認するため、標本の妥当性を示すKaiser-Meyer-Olkin(KMO)測度を算出し、Bartlettの球面性検定を実施した。続いてPCAを実施し、固有値と説明変数を計算して新たに作成された質問項目の因子構造を確認した。内的信頼性は信頼係数であるCronbach’s αと修正済み項目テスト相関(ITC)によって評価し、併存的妥当性は既存の質問票であるPDQ-8およびOx-PAQとのPearson相関によって評価した。
結果
質問項目作成インタビューの結果を解析したところ、PD患者が運動療法を実施し、継続する際の問題が同定され、これらの問題を補填するために、以下に示す10個の質問項目を作成した。
① 運動後の動作に問題がある
② 運動をすることに対するプレッシャーを感じる
③ コストによる制約
④ 運動に対する意欲が欠如している
⑤ 運動療法を継続することが困難
⑥ 必要な運動量をこなすことが困難
⑦ 運動量が十分ではない
⑧ 運動療法が機能しない
⑨ 楽しみとして運動を行う意欲が欠如している
⑩ 運動療法に煩わしさを感じている
質問項目作成インタビューで作成された10個の質問項目を使用したプレテストの結果、⑩は大多数の対象者が回答しづらいと感じたために削除し、2つの質問項目については回答しやすいように表現を微調整した。これ以上の調整は不要であることが確認されたため、⑩を除く9つの質問項目がPDQ-Exerciseの候補として検証調査の対象となった。
検証調査において、PDQ-Exerciseの9つの質問項目について天井効果と床効果を算出すると、②および③では床効果が40%を超えたため、それ以降の解析から除外した。続いて、残りの7つの質問項目に対してKMOを算出すると0.892となり、標本妥当性は高く、Bartlettの球面性検定により、PCAの使用が適切であることが確認された(x2=1595.84、df 21、p=0.00)。そこで、PCAを実施して7つの質問項目の因子構造を確認した結果、固有値が4.31、説明変数が61.60%である1つの因子が確認された。因子負荷量の範囲は0.89から0.52で、信頼性に関する各項目の修正済みITCの範囲は0.82から0.42であった(表1)。Cronbach's αは0.89と高く、Pearson相関で評価した結果、PDQ-ExerciseとPDQ-8およびOx-PAQとの妥当性を認め、相関の範囲は0.57から0.69であった(表2)。
結論
本研究における限界として、対象となったPD患者は自発的に参加を希望し、かつ、オンライン上でのインタビューに対応できる環境が整っているものに限定されている点が挙げられるが、新たに作成したPROMであるPDQ-Exerciseは既存のものと比較しても有効かつ信頼性の高い尺度であることが確認された。現在、PDQ-Exerciseの再検査信頼性や変化に対する感度などの心理測定学的特性についても評価中であり、その結果が期待される。

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