HER2遺伝子変異陽性非小細胞肺癌の治療戦略におけるヘルネクシオス®の役割
サイトへ公開:2025年09月29日 (月)
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進⾏/転移性のHER2(ERBB2)遺伝⼦変異陽性の⾮⼩細胞肺癌(NSCLC)患者を対象に、新規のHER2チロシンキナーゼ阻害剤であるヘルネクシオス®の有効性と安全性を評価した第Ib相⾮盲検国際多施設共同試験、Beamion LUNG-1試験1,2)が報告されました。今回は、本試験の治験参加医師である国⽴がん研究センター東病院 呼吸器内科 医⻑ 葉 清隆先⽣にHER2遺伝⼦変異陽性NSCLCの治療戦略におけるヘルネクシオス®の役割についてお伺いしました。
※ヘルネクシオス®の効能又は効果:がん化学療法後に増悪したHER2(ERBB2)遺伝子変異陽性の切除不能な進行・再発の非小細胞肺癌
HER2遺伝子変異陽性NSCLCの予後(海外データ)3)
HER2遺伝⼦変異陽性NSCLC患者のOS中央値は1.6年であり、 EGFR遺伝⼦変異陽性NSCLC患者と⽐較して予後不良であることが報告されています。

ヘルネクシオス®は進⾏/転移性のHER2(ERBB2)遺伝⼦変異陽性のNSCLC患者を対象としたHER2チロシンキナーゼ阻害剤です。
ここからは、ヘルネクシオス®の有効性と安全性を評価した「国際共同第Ⅰ相試験Beamion LUNG-1試験」をご紹介します。
国際共同第Ⅰ相試験Beamion LUNG-1試験 試験概要
第Ib相 Beamion LUNG-1試験では、進⾏/転移性のHER2変異陽性NSCLC患者を対象に、ヘルネクシオス®の有効性と安全性を評価しました。
同試験では、⽇本を含む18ヵ国で241例が登録され、そのうち⽇本⼈患者は26例でした。
同試験の⽤量拡⼤パートにおけるコホート1では、まず初めに⽤量最適化相として、治療歴のあるHER2変異陽性NSCLC患者を、ヘルネクシオス®120mg群または240mg群にランダムに割り付け、治療を実施しました。
その後、⽤量最適化相のデータを踏まえて、120mgを推奨⽤量とし、コホート1を含むすべてのコホートで240mg群への組⼊れは中⽌となりました。

試験結果
主要評価項⽬である客観的奏効率(ORR※1)は66.7%(50/75例、97.5%CI:53.8-77.5)と、事前に規定された基準(ORR 30%)を上回りました(⽚側p<0.0001、検証的な解析結果、1標本z検定)。
また、副次評価項⽬である病勢コントロール率(DCR※2)は92.0%でした。
※1︓ORR=CR+PR、※2︓DCR=CR+PR+SD

FDAの指示に基づき、コホート1 の全患者の6ヵ月以上の奏効期間フォローアップデータ及び3ヵ月安全性データを更新するため、追加解析が実施されました。追加解析の結果、主要評価項⽬である客観的奏効率(ORR)は70.7%(53/75例、95%CI:59.6-79.8)でした。
また、ベースラインからの腫瘍縮⼩率の中央値は-43%(範囲:-100₋22)でした。

副次評価項⽬である無増悪⽣存期間(PFS)中央値は12.4ヵ⽉でした。

客観的奏効が認められた53例における奏効期間(DOR)中央値は14.1ヵ⽉でした。

ヘルネクシオス®との因果関係ありと判断された有害事象は75例中73例、97.3%に認められました。
主な有害事象は下痢(54.7%)、AST増加(24.0%)、発疹(22.7%)、ALT増加(21.3%)などでした。

ヘルネクシオス®との因果関係ありと判断された重篤な有害事象は、3例(4.0%)に認められ、ALT増加、AST増加が報告されました。
ヘルネクシオス®との因果関係ありと判断された死亡に⾄った有害事象は報告がありませんでした。

中⽌に⾄った有害事象は2例(2.7%)に認められ、ALT増加、AST増加、⾎中ALP増加、GGT増加及び発熱が報告されました。
休薬に⾄った有害事象は25例(33.3%)に認められ、2例以上にみられた有害事象はAST増加、駆出率減少、発疹、ALT増加及び嘔吐が報告されました。
減量に⾄った有害事象は5例(6.7%)に認められ、AST増加、ALT増加、好中球数減少、⾎中クレアチンホスホキナーゼ増加、GGT増加、⾼トランスアミナーゼ⾎症及び薬物性肝障害の疑いが報告されました。

【葉先生のお言葉】
進⾏・転移性のHER2遺伝⼦変異陽性NSCLCは、これまで治療選択肢が限られており、臨床現場においても対応に苦慮する症例が少なくありませんでした。今回報告されたBeamion LUNG-1試験は、新規のHER2チロシンキナーゼ阻害剤であるヘルネクシオス®の有効性と安全性を評価した国際共同第Ib相試験であり、本疾患に対する治療戦略に新たな可能性を⽰す結果となりました。ヘルネクシオス®は主解析において66.7%、追加解析において70.7%の奏効率を⽰しており、治験に携わった⽴場からも、HER2遺伝⼦変異陽性NSCLCに対する分⼦標的治療の新たな選択肢として、今後、実臨床において患者さんの疾患進⾏の抑制や⽣活の質の向上に貢献することが期待されます。
HER2遺伝⼦変異陽性NSCLCの治療選択肢が広がりつつある中で、ヘルネクシオス®が果たす役割について、今後さらなる検証が進むことを期待しています。
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