膿疱を呈する患者さんを診察するポイント
サイトへ公開:2023年02月27日 (月)
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ご監修:
鎌田 昌洋 先生
帝京大学医学部 皮膚科学講座 教授
GPPの特徴と診断基準
膿疱性乾癬(汎発型)(以下、GPP)は、急激な発熱、倦怠感、浮腫といった全身症状とともに全身の皮膚が潮紅し、無菌性膿疱が多発する全身性炎症疾患です(図1)。紅斑の上に膿疱が多発し、一部は融合して膿海を形成します。ときに細かい膿疱を形成することがあり、注意深い観察が必要になります。膿疱はその後鱗屑になるため、細かい浸軟した鱗屑が目立つこともあります。病理組織学的にはKogoj海綿状膿疱を特徴とする角層下膿疱を形成します。GPPの急性期では全身性炎症反応に伴い、血液検査所見として好中球の増多、CRPの上昇、アルブミン値の低下などがみられます。GPPの臨床症状や急性症状の重症度は多岐にわたりますが、症状が繰り返し発現することが重要な特徴です。また、適切な初期治療がなされなかった場合、心不全や腎不全、敗血症などを引き起こし致死的な状態に至ることもあります。そのため、GPPが疑われる場合は、GPPの診療実績が豊富な施設に紹介することも大切な選択肢の一つです。
確定診断は日本皮膚科学会「膿疱性乾癬(汎発型)診療ガイドライン2014年度版」1)(表1-3)に沿って行うことが重要です。ここでは、膿疱を呈する患者さんの症状からGPPを疑うポイントを紹介します。




GPPを疑うためのポイント2)
紅斑および膿疱が全身にみられ、発熱や倦怠感、浮腫を伴う場合はGPPを疑います。しかし、GPPの他にも膿疱を呈する疾患は多いため、適切な診断が必要です。膿疱を呈する疾患には「感染症による膿疱」と「無菌性膿疱」に大別され(表4)、無菌性膿疱はさらに毛包・脂腺の疾患、膿疱症、水疱症、全身疾患に伴う膿疱、薬疹などに分けられます。無菌性膿疱の一つである膿疱症はGPPを含む表5に示すような疾患があります。膿疱を呈する患者さんの診察にあたっては、年齢や合併症、膿疱の分布などから鑑別をある程度行うことが重要です。
GPPの確定診断では、再発を繰り返すことが必須ですが、初発例ではその判断が難しく、過去に同様のエピソードがなくても前述のような症状がある場合は疑い例としてGPPの治療を検討します。


鑑別を要する疾患例
1)急性汎発性発疹性膿疱症(AGEP)2)
薬疹の一種である急性汎発性発疹性膿疱症(AGEP)に関連する薬剤には、抗菌薬、抗真菌薬、痛風治療薬、抗てんかん薬、降圧薬、非ステロイド性抗炎症薬、外用薬などがあり、そのような薬剤の服用の有無を問診により確認します。なお、重症のAGEPになるとGPPとの鑑別が難しくなるので、注意が必要です。病理組織学的には表皮内や角層下の膿疱形成、表皮内の好中球遊走がみられます4)。
2)急性汎発性膿疱性細菌疹(AGPB)3)
急性汎発性膿疱性細菌疹(AGPB)は、掌蹠にやや大型の膿疱が出現し、体幹、四肢へと拡大する疾患で、関節痛が伴う場合もあります。細菌感染によるⅢ型アレルギーの関与が示唆されており、A群β溶血性レンサ球菌やブドウ球菌の上気道感染が発症契機と考えられています。病理組織像では角層下の単房性膿疱を認め、内部に多数の好中球が集積し、リンパ球の浸潤もみられます4)。
3)角層下膿疱症(SPD)3)
角層下膿疱症(SPD)は、乳房下部、四肢関節屈側、鼠径部といった間擦部を中心に膿疱が出現し拡大する疾患です。GPPと異なる点は、全身症状が乏しいことですが、SPDからGPPに移行する症例もあるため、明確な鑑別は困難です。病理組織像では、角層下の好中球主体の膿疱を認めますが、Kogoj海綿状膿疱はみられません4)。
おわりに
以上のポイントを踏まえ、紅斑、膿疱を広範囲に呈し、微生物学的検査で感染症が否定され、発熱や倦怠感、浮腫などの全身症状がある患者さんはGPPの可能性があります。診断に迷われた場合は、速やかにGPPの診療実績が豊富な施設にご紹介いただければと思います。
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