コンセンサスステートメントから見るILDの治療開始のタイミング(静止画)
サイトへ公開:2023年09月27日 (水)
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ご監修・ご出演:近藤 康博 先生(愛知医科大学 医学部 内科学講座(呼吸器・アレルギー内科)特命教授)
2023年2月に『膠原病に伴う間質性肺疾患(CTD-ILD)のコンセンサスステートメント』が発表されました。本コンセンサスステートメントでは、CTD-ILDに対する管理アルゴリズムが示されています。
今回は、コンセンサスステートメントから見る治療開始のタイミングについてご紹介します。
CTD-ILDのコンセンサスステートメントと管理アルゴリズム
最初に、本コンセンサスステートメントの作成について、調査概要をお示しします(図1)。
ご覧のように、論文調査から6名のステートメント作成委員会により作成された109のステートメントについて、修正Delphi法による検討を2ラウンド行い、最終的に合意が形成された93のステートメントについて最終決定がなされました。
図1

さらに、実臨床にコンセンサスステートメントを反映していくために、CTD-ILDに対する管理アルゴリズムが作成されています(図2)。
図2

ここから、本アルゴリズムの「5.治療開始と治療が推奨される要因」と「6.疾患進行」についてご紹介します。
「5.治療開始と治療が推奨される要因」は図3のように示されています。
図3

「6.疾患進行」は図4のように示されています。
図4

抗線維化薬をCTD-ILDの治療選択肢として検討する基準
では、いつ抗線維化薬をCTD-ILDの治療選択肢として検討すればよいのでしょうか。
2022年に発表された『特発性肺線維症および進行性肺線維症国際診療ガイドライン2022』において、抗線維化剤オフェブの使用は、「特発性肺線維症(IPF)以外の線維性ILDにおける標準的な管理にも関わらず進行する進行性肺線維症(PPF)に対する治療として提案する(条件付き推奨、低品質のエビデンス)」とされています1)。
本ガイドラインにおけるPPFの定義は図5上のように示されています。
また、わが国においてオフェブの承認の根拠となった国際共同第Ⅲ相試験INBUILD試験においては、図5下のように進行性線維化を伴う間質性肺疾患(PF-ILD)が定義され、試験対象となっています。
図5

INBUILD試験
PF-ILDにおけるオフェブの有効性・安全性の検討
ここから、CTD-ILDを含めたPF-ILD患者さんを対象とした国際共同第Ⅲ相試験INBUILD試験をご紹介します。
試験概要
本試験の対象は、先ほどお示ししたPF-ILDの定義を満たす患者さん663例です。スクリーニングされた患者さんは、オフェブ群あるいはプラセボ群にランダムに1:1で割り付けられました(図6、7)。
図6

図7

オフェブによる呼吸機能低下抑制
本試験の有効性の結果をお示しします。
主要評価項目である投与52週までのFVCの年間減少率において、オフェブ群とプラセボ群の間に有意な差が認められ、オフェブによる呼吸機能低下の抑制効果が示されました(検証的な解析結果)。
また、52週までのFVCのベースラインからの変化量は、右側の図のように推移しました(図8)。
図8

安全性
本試験の全期間における有害事象は、オフェブ群で326例(98.2%)、プラセボ群で308例(93.1%)に認められました。オフェブ群における重篤な有害事象として主なものは肺炎24例、間質性肺疾患19例、急性呼吸不全16例などでした。オフェブ群において投与中止に至った有害事象は下痢21例、ALT増加6例、薬物性肝障害5例などであり、死亡に至った有害事象は、急性呼吸不全4例、呼吸不全3例などでした(図9)。
図9

主な有害事象は、発現頻度が高い順にオフェブ群で下痢240例(72.3%)、悪心100例(30.1%)、嘔吐64例(19.3%)など、プラセボ群で下痢85例(25.7%)、気管支炎64例(19.3%)、呼吸困難57例(17.2%)などでした(図10)。
図10

まとめ
『CTD-ILDのコンセンサスステートメント』の内容は、治療開始や疾患進行の評価に有効な項目などを管理アルゴリズムとしてまとめられており、実臨床でもご活用いただけるようになっています。
CTD-ILD患者さんに対してオフェブを検討する場合は、PPFの定義やINBUILD試験におけるPF-ILDの定義もあわせて参考にしてください。
今回ご紹介した内容を、CTD-ILD患者さんのご診療にお役立ていただけますと幸いです。
【引用】
- Raghu G, et al. Am J Respir Crit Care Med. 2022; 205(9): e18-e47.
その他の関連情報
進行性線維化を伴う分類不能型特発性間質性肺炎患者さんの診断と治療(静止画)
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