関節リウマチに伴う間質性肺疾患患者さんの診断と治療(UIPパターン)静止画
サイトへ公開:2022年04月27日 (水)
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ご監修・ご出演:田中 良哉 先生(産業医科大学医学部 第1内科学講座 教授)

先生が診療されている患者さんの中に、このような関節リウマチに伴う間質性肺疾患(RA-ILD)患者さんはいらっしゃいませんか?


RA-ILD患者さんにおける生存率と予後因子
RA-ILD患者さんは、RA患者さん全体と比較し予後不良であることが報告されています。生命予後を検討した報告では、RA-ILD患者さんの生存期間中央値は2.6年であり、RA患者さん全体の9.9年に対し予後不良であることが示されています。

RA-ILDの予後不良因子には、男性、高齢、拡散能低下、広範囲な線維化、HRCTでUIPパターン、急性増悪の合併が挙げられます。
別の報告においてRA-ILDの生存率および死亡に関連する因子を調査されたところ、60歳以上と広範な肺病変は予後不良と関連しており、そのハザード比は2.32、2.19と報告されています。

RA-ILDにおける進行性線維化の合併とモニタリング
このようなリスク因子を有する患者さんは、ILDが進行性線維化を伴う場合があります。咳嗽や呼吸困難といった呼吸器症状の悪化、FVCなどの呼吸機能の低下、HRCTなどの画像評価で進行性の肺の線維化がみられる、これらの特徴を有する疾患は進行性線維化を伴う間質性肺疾患(PF-ILD)と定義されています。

最近の報告においてRA-ILDの患者さんでは40%に進行性線維化が伴うと推定されています。

こちらは、PF-ILDの疾患進行を評価するうえで、臨床で使用できる可能性がある基準案です。
モニタリング項目として、FVCの年間減少率や変化量といった呼吸機能の評価、症状や運動耐容能変化、急性増悪、HRCTでの線維化範囲の変化などが挙げられています。
こちらの指標を元に、ILDの進行性や線維化を判断し、治療を検討することが重要です。

RA-ILDの治療方針
実際の治療においては、こちらの肺線維症の治療アルゴリズムが参考になります。
RA-ILDの治療では、最初に基礎疾患であるRAの治療を行います。次に、抗線維化薬による治療を検討します。

ILDに対する治療戦略は炎症と線維化の程度により異なります。炎症性の要因に対してはステロイドや免疫抑制薬などが、線維化性の要因に対しては抗線維化薬が推奨されています。

このような治療と並行して定期的なフォローアップ及び疾患経過のモニタリングを行い、疾患の進行状況に応じて治療を検討することが重要です。
肺の線維化に関わるメカニズムと抗線維化剤オフェブの作用機序
膠原病に伴う間質性肺疾患 診断・治療指針 2020では、抗線維化剤オフェブが進行性線維化を伴うRA-ILDの治療選択肢となる可能性のある薬剤として記載されています。
肺の線維化の進行には、肺胞上皮細胞の障害、および組織修復の異常による細胞外基質の過剰な沈着が関与していると考えられています。こうした病態には、血管内皮増殖因子(VEGF)、血小板由来増殖因子(PDGF)、線維芽細胞増殖因子(FGF)といった増殖因子を介するメカニズムが考えられています。
オフェブは、これらの増殖因子受容体を介したシグナル伝達を阻害し、線維芽細胞の増殖、遊走、生存及び血管新生を抑制することで抗線維化作用を示すと考えられています。

まとめ
RA-ILDは進行性の線維化を伴うことがある、予後不良の疾患です。その治療においては、基礎疾患であるRAの治療に加え、ILDのモニタリングを行うことが重要です。ILDの線維化に進行が認められた場合は、治療を検討することが重要であり、抗線維化剤オフェブが治療薬となる可能性があります。
今回ご紹介した内容を、RA-ILD患者さんの診療にお役立ていただけますと幸いです。
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