加来先生に伺うSGLT2阻害薬の脱水予防と飲水に関するアドバイス
サイトへ公開:2021年01月30日 (土)
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SGLT2阻害薬は2014年に上市され、現在国内では6成分8製剤が存在します。大規模臨床試験の結果や合剤の発売により近年SGLT2阻害薬の処方が増加している中、今回川崎医科大学の加来浩平先生より、SGLT2阻害薬の脱水予防や投与初期・継続期其々に応じた患者さんへの飲水の指導について御紹介頂きます。
監修:加来 浩平 先生(川崎医科大学 名誉教授)
脱水予防のための患者指導
投与初期 喉が渇く前に水分を摂る
SGLT2阻害薬投与初期は尿量増加がみられており、患者さんへの十分な飲水指導が必要です。
投与1日目において、ジャディアンス10mg群ではプラセボ群に比べて、約500mLの尿量増加が示されています1)
日常生活の注意
- こまめに水分を摂る 例:朝(起床後)、トイレの後、入浴前後
- 気温が高い時期には、喉が渇いていなくても早めの水分補給を心がける
投与継続期: 喉が渇いたら水分を摂る
投与初期にみられた尿量増加は、持続的にはみられません。
SGLT2阻害薬投与時の尿量は飲水量が規定因子となり2)、飲水量や回数を過度に増やすことが尿量の増加や頻尿に繋がります。
高齢者: SGLT2阻害薬投与に関わらず、普段からこまめに水分を摂る
体液量減少の有害事象は、SGLT2阻害薬投与に関わらず高齢になるにつれ発現率が高くなります。
Q&A
Q: 投与初期の目安はどれぐらいでしょうか?
A: 投与開始後1週間程度が一つの目安です。
加来先生 解説
ジャディアンスで日本人を対象に検討した試験において、投与28日目のベースラインからの尿量の変化はプラセボとジャディアンス群で同程度であり、また海外データでは5日目に尿量がベースライン時と同程度であることが示されています3)。
同様に他SGLT2阻害薬の日本人で検討した試験においても、投与1日目には尿量増加が認められましたが、投与2日目で尿量がベースライン時と変わらないことが示されています2)。
1) Yasui A, et al.: Diabetes Ther. 2018; 9: 863-71.
2) Tanaka H, et al,: Adv Ther 2017; 34: 436-51. 他のSGLT2阻害薬での検討に基づく。
3) Heise T et al.: Clin Ther 2016;38:2265-76.
国内で承認された用法・用量(抜粋)
<2型糖尿病>
通常、成人にはエンパグリフロジンとして10mgを1日1回朝食前又は朝食後に経口投与する。なお、効果不十分な場合には、経過を十分に観察しながら25mg 1日1回に増量することができる。
日本人2型糖尿病患者における24時間尿量と飲水量の評価
| 本データは、日本人2型糖尿病患者を対象にジャディアンス(エンパグリフロジン)のPK/PD、安全性、忍容性を検討した国内第Ⅱ相試験の事後解析によるものです。SGLT2阻害薬を適正使用いただくにあたり必要な情報であるとの判断のもと、掲載しております。 |

国内で承認された用法・用量(抜粋)
<2型糖尿病>
通常、成人にはエンパグリフロジンとして10mgを1日1回朝食前又は朝食後に経口投与する。なお、効果不十分な場合には、経過を十分に観察しながら25mg 1日1回に増量することができる。
Yasui A. et al.: Diabetes Ther. 2018; 9:863-71. 本試験はベーリンガーインゲルハイム社の支援により行われました。

日本人2型糖尿病患者24時間尿量と飲水量評価試験安全性
- 有害事象はエンパグリフロジン群の23/79例(29.1%)、プラセボ群の2/21例(9.5%)に認められ、主な事象はエンパグリフロジン群の便秘、鼻咽頭炎(各4例)であった。エンパグリフロジン群の1mg投与患者1例に重篤な有害事象として一過性脳虚血性発作が認められた。プラセボ群の1例で、投与中止に至った有害事象として高血糖が認められた。死亡の報告はなかった。
- 本試験において、脱水関連の有害事象はジャディアンス群およびプラセボ群において認められなかった。
- ジャディアンスの安全性については、DIスライドの安全性情報をご参照ください。
Yasui A. et al.: Diabetes Ther. 2018; 9:863-71. 本試験はベーリンガーインゲルハイム社の支援により行われました。
投与1日目にジャディアンス投与群で認められた尿量の増加は、投与28日目には認められませんでした。また、同様に水分バランス*の変化を検討したところ、投与28日目では、ジャディアンス10mg群で-108ml、25mg群で-32mL、プラセボ群で-135mlでした。これらは、日本人2型糖尿病患者にジャディアンスを投与した際に、水分バランスを維持する腎臓の生理学的なメカニズムが働いている事によるものと推測されます。
*水分バランス:24時間尿量と飲水量の差と定義
安全性併合解析(SAF43)

国内で承認された用法・用量(抜粋)
<2型糖尿病>
通常、成人にはエンパグリフロジンとして10mgを1日1回朝食前又は朝食後に経口投与する。なお、効果不十分な場合には、経過を十分に観察しながら25mg 1日1回に増量することができる。
効能又は効果、用法及び用量、禁忌を含む注意事項等情報等については電子添文をご確認ください。
Schorling OK, et al.: Adv Ther. 2020; 37(8): 3463-3484. 本試験はベーリンガーインゲルハイム社/イーライリリー社の支援により行われました。

特に記載のない限りデータはn(%)。 %は、治療ごとの患者の総数を分母とする。
同一患者において複数事象を発現している場合を含む。
* BIcMQ(ベーリンガーインゲルハイム社がカスタマイズしたMedDRA検索式)によるMedDRA基本語に基づく。 MedDRA:Medical Dictionary for Regulatory Activities
† 狭義のSMQ(standardized MedDRA query)に基づく ‡ 狭義のBIcMQ(ベーリンガーインゲルハイム社がカスタマイズしたMedDRA検索式)に基づく
§ SAF42と比較してプラセボ群のイベント数が少なvいのは、MedDRAマッピング定義のバージョン間の変更による。
(例:下層語「糖尿病性ケトーシス」はv 18.0では基本語「糖尿病性ケトアシドーシス」に属するが、v 21.0では変更されている)
* * SMQ(standardized MedDRA query)に基づく
効能又は効果、用法及び用量、禁忌を含む注意事項等情報等については電子添文をご確認ください。
Schorling OK, et al.: Adv Ther. 2020; 37(8): 3463-3484. 本試験はベーリンガーインゲルハイム社/イーライリリー社の支援により行われました。

患者は複数の重症度基準にカウントされている場合がある。MedDRA:Medical Dictionary for Regulatory Activities
* 試験責任医師により薬剤との関連性ありと判断された有害事象
† 重度な有害事象とは仕事または日常生活ができない程度の徴候または症状。
‡ 重篤な有害事象とは死をもたらすもの、直ちに生命を脅かしうるもの、持続的もしくは永続的な障害をもたらすもの、患者の入院が必要となるものまたは入院期間の延長が必要となるもの、
先天性異常/出生時異常またはあらゆる他の理由で深刻であると考えられるもの。
効能又は効果、用法及び用量、禁忌を含む注意事項等情報等については電子添文をご確認ください。
Schorling OK, et al.: Adv Ther. 2020; 37(8): 3463-3484. 本試験はベーリンガーインゲルハイム社/イーライリリー社の支援により行われました。
監修者のコメント:川崎医科大学 名誉教授 加来 浩平 先生
SGLT2阻害薬投与中は、適度な水分補給の指導が大切です。SGLT2阻害薬投与による循環血漿量に与える影響を考慮すると、過度な飲水は尿量増加の原因となるため、患者さんの状態を考慮し指導する必要があります。 健康寿命の確保やQOL改善を観点に、年齢や体重に捉われずSGLT2阻害薬が幅広い患者さんに投与されることを期待します。
| 8. 重要な基本的注意(抜粋) 〈効能共通〉 8.5 本剤の利尿作用により多尿・頻尿がみられることがある。また、体液量が減少することがあるので、適度な水分補給を行うよう指導し、観察を十分行うこと。脱水、血圧低下等の異常が認められた場合は、休薬や補液等の適切な処置を行うこと。特に体液量減少を起こしやすい患者(高齢者、腎機能障害患者、利尿薬併用患者等)においては、脱水や糖尿病性ケトアシドーシス、高浸透圧高血糖症候群、脳梗塞を含む血栓・塞栓症等の発現に注意すること。 |
その他の関連情報
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