2型糖尿病で望まれる早期から腎機能を考慮した治療とジャディアンスのエビデンス
サイトへ公開:2024年03月28日 (木)
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早期から腎機能を考慮した糖尿病治療が重要であることを示す疫学研究等と2024年2月に慢性腎臓病※の適応追加が承認されたジャディアンスのエビデンスをご紹介します。
※ただし、末期腎不全又は透析施行中の患者を除く。

糖尿病における腎機能低下の推移とリスク

糖尿病などの代謝疾患は、心血管疾患、腎疾患と共通のリスク因子を有し、相互に関連していることが報告されています1-3)。
図は、2020年に報告された2型糖尿病を対象とした大規模国際共同コホート研究における心血管疾患または腎疾患の初発イベントの内訳です。全体集団と日本人集団の両方で、慢性腎臓病が最も多く、次いで心不全であるという結果が得られ、日本人集団での慢性腎臓病は39.3%でした。
この結果から、糖尿病のある方の治療において慢性腎臓病を考慮することが重要であることが示されました。

こちらは、糖尿病性腎症の典型的な経過を示した図です。
早期腎症期は尿中アルブミン/クレアチニン比(UACR)が上昇し、微量アルブミン尿(UACR≧30mg/gCr)が認められることから、早期腎症期では、UACRの把握が重要となります。
また、GFRは、早期腎症期には緩徐に低下しますが、顕性腎症期には急激に低下し透析療法が必要な腎不全に進展します。

早期腎症期の予後については、2型糖尿病の日本人を対象としたコホート研究の腎機能別解析で示されました。
eGFRとUACRで群別し、eGFR≧60(mL/min/1.73m2)かつUACR<30(mg/gCr)の群とその他の群を比較した結果、eGFRが低下したeGFR<60かつUACR<30の群およびeGFR<60かつUACR≧30の群だけでなく、eGFRは変わらずUACRが上昇したeGFR≧60かつUACR≧30の群でも全死亡リスクが高かったと報告されました(それぞれp=0.003、p<0.001、p<0.001、いずれもCox比例ハザードモデル)。
このような報告から、腎機能を考慮した糖尿病治療は、eGFRにかかわらず、UACRの上昇が認められる早期から行うことが望ましいでしょう。
ジャディアンスのエビデンス ①2型糖尿病に対する血糖改善効果

早期から腎機能を考慮した糖尿病治療の選択肢の一つとして、SGLT2阻害薬ジャディアンスの血糖改善効果と腎機能の影響に関するエビデンスを紹介します。
まず、ジャディアンスの血糖改善効果のエビデンスとして、日本で行われたEMPA-ELDERLY試験です。
EMPA-ELDERLY試験では、65歳以上の2型糖尿病のある方を対象に、糖尿病基礎治療に加えてジャディアンス10mgまたはプラセボを52週間投与し、HbA1cのベースラインからの変化量について検討しました。
プラセボ群と比較したジャディアンス10mg群の52週時のHbA1cのベースラインからの調整平均変化量は-0.57%であり、ジャディアンス10mg群で有意なHbA1c低下作用を示し[p<0.0001(名目上のp値)、MMRM]、日本人高齢者2型糖尿病においてジャディアンス10mg 1日1回経口投与による血糖改善効果が確認されました。
本試験における有害事象の発現割合は、ジャディアンス10mg群で73.8%(48/65例)、プラセボ群で71.9%(46/64例)でした。
主な有害事象は、ジャディアンス10mg群で便秘7例(10.8%)、発熱4例(6.2%)、鼻咽頭炎3例(4.6%)、プラセボ群で鼻咽頭炎、下痢各4例(6.3%)、便秘、発熱各3例(4.7%)でした。また重篤な有害事象は、ジャディアンス10mg群で脳塞栓症、白内障、落屑緑内障、緑内障各1例、プラセボ群で大腿骨頸部骨折2例、顔面神経麻痺、視神経炎、白内障、脳挫傷、肋骨骨折、外傷性血胸各1例でした。投与中止、死亡に至った有害事象は表のとおりでした。
ジャディアンスのエビデンス ②2型糖尿病における腎イベントへの影響

続いてご紹介するEMPA-REG OUTCOME®腎アウトカムでは、心血管イベントのリスク因子(高血圧、脂質異常症等)に対してガイドライン等で推奨される標準治療(スタチン、ACE阻害薬、ARB、アスピリン、β遮断薬、カルシウム拮抗薬の投与等)を受けている2型糖尿病のある方を対象に、ジャディアンス10mgまたは25mgを標準治療に上乗せした場合の腎アウトカムに対する影響を評価しました。

【参考情報】
ジャディアンス10mg群、25mg群ともにプラセボ群と比較して、腎症の初回発現もしくは悪化のリスクが低下しました[10mg群:HR=0.61、95%CI:0.53~0.72、25mg群:HR=0.61、95%CI:0.52~0.71、いずれもp<0.001(名目上のp値)、Cox比例ハザードモデル]。

【参考情報】
本試験のUACR別のサブグループ解析におけるeGFR値の経時推移は図のとおりでした。

本試験での有害事象の発現割合は、全体集団のジャディアンス10mg群で90.1%(2,112/2,345例)、25mg群で90.4%(2,118/2,342例)、プラセボ群で91.7%(2,139/2,333例)でした。
主な有害事象は、ジャディアンス10mg群で低血糖29.7%、尿路感染14.8%、高血糖9.4%等、25mg群で低血糖28.8%、尿路感染14.8%、鼻咽頭炎9.4%等、プラセボ群で低血糖29.4%、高血糖18.5%、尿路感染15.1%等でした。また、重篤な有害事象は、ジャディアンス10mg群で低血糖38例、心筋梗塞33例、不安定狭心症28例等、25mg群で急性心筋梗塞33例、心筋梗塞、低血糖各32例等、プラセボ群で低血糖42例、不安定狭心症36例、心筋梗塞35例等でした。投与中止、死亡に至った有害事象は表のとおりでした。
ジャディアンスのエビデンス ③腎疾患進行のリスクのある慢性腎臓病患者を対象とした国際共同第Ⅲ相・検証試験(EMPA-KIDNEY試験)

ジャディアンス10mgは、2024年2月、慢性腎臓病※の効能又は効果で適応の追加が承認されました。
適応追加にあたって評価された国際共同第Ⅲ相・検証試験(EMPA-KIDNEY試験)では、スクリーニング時およびその3ヵ月以上前に治験実施施設で測定したeGFR 20以上45未満(mL/min/1.73m2)、またはeGFR 45以上90未満かつUACRが200mg/gCr以上(または尿中蛋白/クレアチニン比が0.3g/gCr以上)のいずれかを満たす、腎疾患進行のリスクのある慢性腎臓病患者を対象として、ジャディアンス10mgを1日1回経口投与した時の有効性および安全性をプラセボと比較検討しました。
※ただし、末期腎不全又は透析施行中の患者を除く。

本試験の主要評価項目である腎疾患進行または心血管死のプラセボ群に対するハザード比は0.73で、イベントリスクが27%低下し、ジャディアンス10mg群の優越性が検証されました(99.83%CI:0.59~0.89、p<0.0001、Cox回帰モデル)。

主要評価項目について事前規定されたサブグループ解析を行った結果、糖尿病合併の有無にかかわらず、プラセボ群と比較してジャディアンス10mg群の腎疾患進行または心血管死のリスクが低下しました(糖尿病合併:ハザード比0.64、p<0.0001、糖尿病非合併:ハザード比0.83、p=0.0443、いずれも名目上のp値、Cox回帰モデル)。

本試験では事前に規定した非重篤有害事象および全ての重篤な有害事象に限定して収集した結果、それらの発現割合はジャディアンス10mg群で43.9%(1,444/3,292例)、プラセボ群で46.1%(1,516/3,289例)でした。
主な有害事象は、ジャディアンス10mg群で痛風231例(7.0%)、コロナウイルス感染98例(3.0%)、急性腎障害93例(2.8%)等、プラセボ群で痛風266例(8.1%)、急性腎障害117例(3.6%)、コロナウイルス感染107例(3.3%)等でした。また、重篤な有害事象は、ジャディアンス10mg群でコロナウイルス感染98例、急性腎障害93例、血中カリウム増加76例等、プラセボ群で急性腎障害117例、コロナウイルス感染107例、血中カリウム増加87例等でした。投与中止、死亡に至った有害事象は表のとおりでした。
腎機能を考慮した糖尿病治療の選択肢として

糖尿病のある方は、腎機能低下のリスクの高い状態と考えられることから、腎機能への影響を考慮した治療選択が望まれます。
SGLT2阻害薬であるジャディアンスに関して、近年、2型糖尿病の血糖改善効果と腎機能に対する影響を示す複数のエビデンスが報告されました。
ジャディアンスは、2型糖尿病治療を目的とする場合、10mg錠と25mg錠での用量調整が可能であり※、またDPP-4阻害薬トラゼンタとの合剤であるトラディアンス配合錠をお使いいただければ、1日1回1錠のままで、治療強化が可能です。
※2型糖尿病を合併する患者では、血糖コントロールが不十分な場合には血糖コントロール改善を目的として本剤25mgに増量することができる。慢性心不全及び慢性腎臓病に対して本剤10mg1日1回を超える用量の有効性は確認されていないため、本剤10mgを上回る有効性を期待して本剤25 mg を投与しないこと。

早期からの腎機能を考慮した糖尿病治療の一つとして、ジャディアンスの処方をご検討ください。
【参考文献】
- Leon BM, et al.: World J Diabetes. 2015; 6(13): 1246-58.
- Ronco C, et al.: J Am Coll Cardiol. 2008; 52(19): 1527-39.
- Marwick TH, et al.: J Am Coll Cardiol. 2018; 71(3): 339-51.
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